照明の明るさと赤目の網膜障害

みなさんはなぜ瞳の色が明るくなったり暗くなったりするか、ご存知でしょうか?
虹彩と呼ばれる部分には通常メラニン色素が存在し、その割合が多くなったり少なくなったりすることで色味にバリエーションが付きます。
ラットに関してはメラニンが多い順に黒目・(ブドウ目)・赤目・ピンク目となります。
ピンク目に関しては色素欠乏となり、まったくメラニン色素がない状態と言えます。

メラニンが虹彩に少ないとどうなるのか

虹彩にあるメラニンは紫外線から瞳を守ったり、まぶしさを軽減する役割をしています。
そのメラニンが少なくなるとまぶしさを感じやすくなったり、まぶしさにより目が見え難くなったりします。
メラニンが少なければ少ないほど、光に弱くなるのです。

アルビノ特有の事情

アルビノ、またはピンク目を持つラットの瞳にはメラニンが形成されない、もしくはほとんど形成されません。
どうしても物を見るときには光が必要になりますが、瞳を保護するメラニンがないために光を調節することが出来ずに”羞明(しゅうめい)”という症状が起きてしまうようです。

羞明(しゅうめい、英: photophobia)は、強い光を受けた際に、不快感や眼の痛みなどを生じることをいう。英語では恐怖症を示す “phobia” が付いているが、原因の多くは網膜や視神経に対する過度な刺激による眼科的な要因である。-wikipedia

環境によっては明るさに苦痛を感じたり、全く目が見えなくなってしまうことがあるようです。

赤目・ピンク目ラットのよくある行動

たまに相談に「よく壁や物にぶつかります」「首をしきりに横にゆらゆらさせる」というものがあります。
黒目やブドウ目の子であれば「おっちょこちょい」であったり「緊張しいな傾向にある」ということで結論付けることが出来るのですが、赤目・ピンク目の場合は瞳にメラニンが少ないことにより起こっている可能性が出てきます。

  • 頻繁に壁や物にぶつかる

これは赤目・ピンク目の場合、単にまぶしさで見えていない可能性があります。
黒目やブドウ目の若い子がやる場合、単に元気が有り余っているという可能性もありますが、念のため目を診てもらってください。

  • 首をしきりに横にゆらゆらさせる

弱視からくる不安の表れの可能性があります。
ラットがゆーらゆーら首を横に揺らすのは目の位置を動かして視点を動かすことにより、周りを良く見ようとする行動です。
これは黒目の子でも不安症の子や恐怖を感じたときにすることがあります。
しかし、赤目・ピンク目の子がこれをする場合、まぶしさで見えない視界を必死に確保しようとしている可能性があります。

意外と低い網膜障害になる明るさ

実験動物のデータで「アルビノラットは白熱灯下で110lxの連続照明で網膜障害が現れる」というものがあります。
あまり日常生活で”lx(ルクス)”という単位を使わないのでピンとこないかもしれませんね。

JIS照度基準で100lxがどのあたりになるのかというと、「倉庫・廊下・通路・出入口など」です。
「えっ!薄暗っ!」って思いませんでした?
では、200lxではというと「便所・洗面所・改札口など」です。
これでも正直あんまり明るい感じはしないですよね。
しかし、大体これくらいの明るさを連続で当てられるとアルビノラットは網膜障害を起こしてしまうようなのです。

何lxなのか測る方法

“照度計”というものがあります。
こういう機械は高い印象があるのですが、2000円前後で買えます。

  

私は一番目のものを買って使用してみましたが、ハズレでない限りしっかり動いているように思います。
外や屋内など様々なところで測ってみたところ、厳密にあっているかは分かりませんがなんとなくはあっているような気がします。

これを元に我が家のラットの環境は100lx以下にしていますが、なかなか眠くなる明るさです。

100lx以下でアルビノラットを飼育してみた感想

我が家のアルビノラット、あっくんはお迎えした時から100lx以下の環境で飼育しています。
よくアルビノで聞く「物にぶつかる」「首振り」はみたことがありません。
のんびりおおらかな子なので個体差も勿論あるとは思いますが、少なくとも”見えない素振り”をしたことはありません。
デメリットとしては、薄暗いのでどうしても眠くなることと、ラットの写真がスマホだと全部薄暗くなったりザラザラになっちゃって綺麗に撮るのが難しいことですね。

ラットに「まぶしい?まぶしくない?」と聞くことは不可能なので、ピンク目ラットは絶対110lx以下にしなければならないかと言われれば微妙なところだとは思います。
しかし、仮に赤目・ピンク目ラットの”目の見えない素振り”が気になるようであれば、一度110lx以下の薄暗い環境を作ってやってもいいのかもしれませんね。

蛇足

本記事ではアルビノラットの網膜に影響をおよぼす明るさは110lxとしましたが、他にも130-270lxなど色々あります。
とりあえず、低いところから始め様子を見ながら適切な明るさを探るのが一番良いと思われます。

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