ラットに胆嚢(たんのう)が無いということ

胆嚢(たんのう)
聞いた事があるような、ないような。

そんな臓器としては割とマイナーな部類のものではないか、と思います。
なぜ、このブログでそんな臓器をとりあげたのか。

それは「ラットは胆嚢(たんのう)を持たない動物だから」です。

そもそも、胆嚢(たんのう)って何?

胆囊(たんのう)は消化に必要になるまで胆汁を蓄積するセイヨウナシ形の器官で、
胆管(胆道)によって肝臓と十二指腸に接続している。
※引用:wikipedia – 胆嚢

と、wikipediaには書かれています。

肝臓は消化酵素を活性させ、脂肪を乳化させたり脂肪酸の吸収を促進する胆汁(たんじゅう)と呼ばれる分泌物を出します。※胆汁自体に消化酵素は含まれない。
その胆汁を溜め、より濃縮させる役割をするのが胆嚢(たんのう)です。
そして、十二指腸に食べ物が入ると胆嚢から胆汁が分泌されます。

この胆嚢(たんのう)がラットには無いのですが、ラットの他にも胆嚢を持たない動物は存在しています。
馬属の全部・シカ科・ゾウ・ラクダ・キリン・クジラの類・リス・ヤマアラシ・チンチラ・ハト・インコ など。
驚くことになんと、頻繁にラットと並べられるマウスには胆嚢があります。
マウスは胆嚢があるため食い溜めが出来、種によってはそのまま冬眠もするそう。

胆嚢(たんのう)の有る動物は胆汁を胆嚢に溜め濃縮して、一気に食べ一気に消化するという事ができるため、一定間隔でまとめて沢山食べる食生活に向きます
一方、胆嚢(たんのう)の無い動物(無胆嚢動物とも)は常に肝臓から少しづつ胆汁を分泌しており、胆嚢のある動物のように胆汁を一気に出すということが出来ません。
そのため、少量づつ頻繁に食べる食生活に向きます

胆嚢が無いという特徴からも、ラットの食事の与え方は「食べ放題」が理にかなっていると言えるでしょう。

ラットが肉の脂に弱いと言われる訳

先にも書いたように胆汁には脂肪を分解・乳化する役割があります。
その胆汁を濃縮・蓄積しておく胆嚢(たんのう)が無いということは、多くの動物性脂肪の摂取を想定していないということになります。

そして、ラットの盲腸は非常に大きく発達しています
このような特徴はウサギやウマなどの草食動物にみられ、植物性繊維質の分解を盲腸内細菌が行っています。

本来ラットは穀食動物寄りであると言われていますが、上記二つの理由から消化器系の特徴だけを見れば、厳密には草食動物であると言われています。
その割には乾燥アルファルファで消化不良を起こしますが…

ラットの禁止食物のリストにはちょくちょく「動物性脂肪」が乗りますが、その理由として「胆嚢が無いため、動物性脂肪を分解する酵素を持たない」と書かれています。
しかし、胆汁にはそもそも消化酵素を活性する物質はあれども、そのもの自体は含んでいないはず。
胆嚢の働きとしても、胆汁の水分・塩分を吸収して濃縮・蓄積を行うだけなので、そこで消化酵素が追加されるということもないはず。
よって、どうにも私としては「???」な内容であり、載せることは躊躇していました。

しかし、胆嚢が無いために動物性脂肪分を分解することが得意では無い事は事実。
ということで、肉の脂肪を「胆嚢がなく、胆汁を濃縮できないため、動物性脂肪分の分解が得意でない。避けたほうが無難。」としてリストインすることにしました

ねずみといっしょ
ファンシーラット 飼育情報総合サイト


ラットに動物性タンパク質は特に生後三ヶ月までの成長期に非常に大切な栄養素です。
与えるのならば魚介類や昆虫類、手軽なものであればササミやゆで卵の白身がオススメです。

その他のお肉であっても脂身は出来る限り取り除いてあげれば、与えることも可能であると思います。
サシのような脂身を多く含むお肉は避けて、出来るだけ赤身をあげるのがベストでしょう。

 

(資料)
wikipedia – 胆嚢
コトバンク – 胆汁
脂質と血栓の医学 – 胆汁酸
健康が一番! – コレステロールについて

Yahoo知恵袋 – ラットに胆嚢 がない理由

Rat Anatomy – Head, Thoracic, and Abdominal Organs(※解剖学のページ 写真ではないが、解剖のイラスト有り)
Online Learning Center – Digestive Systems