ラットはお風呂に入れるべきなのか?

まず前提として、ラットはお風呂に入れる事が可能です。
ラットはドブネズミという別名もあるとおり、湿地帯に住む動物です。
下水の周りや河川・海岸、湖畔や湿地など湿気のある土地を中心に生息しています。
なので、肉類の他に海鮮類などを食べても大丈夫なんですね。
ちなみに、よく家や建物で「ドブネズミがでた!」というのは、実はクマネズミだということが多いそうです。(→クマネズミとは?)

しかし、Wikipediaなどには「水中に自ら入り、巧みに泳ぐ」とあるものの、人間の飼育下におけるペットラット達はおおよそお風呂に入る事を好ましく思ってはいないようです。
海外にもラットのお風呂の入れ方を解説したページは様々ありますが、必ずといって良いほど「最初にラットをお風呂に入れようとする時、少なからず戦うことになるだろう。」と書かれています。
やはり、私も最初にお風呂に入れた時は「この世の終わりだ!!!」と言っているかのように嫌がられ、腕や手が引っ掻き傷だらけになりました。
このように、かなりオーバーに嫌がる(ねずみ達にとってはかなりの一大事なのであろう…)ので、お風呂へ入れる事に異を唱える飼い主さんが全世界に一定数いることは事実です。
そして、ラットは一生に一度もお風呂に入らなくても何も問題なく過ごせる場合も多くあります。

なぜそんなに嫌がられてもお風呂に入れるのか?

一つは「皮膚病予防のため」。
主にスキニー・ヌードラットには必須になります。
毛のないスキニー・ヌードラットは直接 外気に皮膚が触れるため、皮膚病にかかり易いと言われており、皮膚病対策のために定期的な入浴の必要があります。
濡れタオルなどで拭いたら表面の汚れは取れますが、雄特有の「バックグリス」と呼ばれる茶色い分泌物は取れません。(テストステロン関連の皮脂腺の分泌物)

(お腹のオレンジ色に見える部分が”バックグリス”。実際には茶色く見える)
このバックグリスと呼ばれる男性ホルモンによる分泌物は、場合によっては皮膚炎の原因となることがあります。(→脂漏性皮膚炎《海外サイト》)
自分で出しておいて、それが原因で荒れるとはどういうことだとも思いますが、ちょこちょこある事のようです。
また、ダニなどの寄生虫にもお風呂は有効です。

そして、もう一つは「老後のため
歳をとると体が弱り、十分に体をグルーミング出来なくなる場合があります。
これも先に述べたように、不潔になるにつれ皮膚病などのリスクが高まります。
おデブであったり、手足が不自由で満足にグルーミングが出来ないラットもここに該当します。

その他の利点としては、「雄ラットで頻繁に行われる支配マーキングによるアンモニアの除去」「新しいラットを同居させる際に縄張り問題を軽減する」などがあります。

ラットをお風呂を入れるのも、入れないのも飼い主の自由であると思います。
しかし、歳をとってからお風呂を入れなければならなくなった時、小さい頃から慣らしていた場合よりも大きいストレスになってしまうのでは、とも思います。
お風呂に入れる事がストレスになるとしても、なるべく小さな時から慣らしておいたほうが、何かあった時に安心なのではないでしょうか?
ラットは賢い動物です。最初は怖がったとしても、危険でないと分かれば徐々に慣れてくれます。

お風呂の入れ方

用意するもの

  • タオル – 水をよく吸い取るマイクロファイバーなどがオススメ
  • 歯ブラシなど硬すぎないブラシ – 尻尾を綺麗にするのに役立ちます
  • 子猫子犬用・人間の赤ちゃん用シャンプー(無香料) – 慣れるまでは使わないことをオススメします
  • ココナッツオイルなど保湿オイル – シャンプーをした場合には必須。特に尻尾は油が落ちすぎて乾燥気味になる。
  • ドライヤー – 根元はしっかり乾燥させないとカビの原因に

手順

  1. 洗面台にぬるま湯を溜めます。必ずラットが溺れない水位。脱走が酷い場合はバスタブに洗面器を置いて水を溜めるのがオススメ。
  2. いきなり溜めたお湯にラットを浸けるとびっくりする可能性があるため、洗面台の縁など濡れても大丈夫な場所にラットを下ろす。
  3. そのまま、ラットに溜めたお湯をバシャバシャかける。やむ終えない場合は溜めたお湯の中にラットをゆっくり浸す。(ここからビビってを漏らす可能性があります。)
  4. 耳や目にお湯が入らないように注意をしながら体や尻尾を洗う。(シャンプーを使う場合はここで背中に少し付けて泡立てる)首から上はなるべく人間は濡らさないように!尻尾の汚れが酷い場合は歯ブラシなどの少し固めのブラシでこするととっても綺麗になります。
  5. ラットの様子を見ながらしっかりすすぎ、綺麗になったらお湯から上げて、しっかりタオルドライをしましょう。
  6. タオルドライが終わったら、保湿オイルを揉みこみます。(尻尾を重点的に)
  7. ドライヤーの冷でラットを乾かしましょう。温風でもいいのかもしれませんが、熱しすぎないようにしっかり離して当ててください。生乾きだとカビの原因になると言われていますが、ココナッツオイルを使う場合は強い抗菌作用がありますので、あまり気にしなくてもいいのではと思っています。
  8. 最後にごほうびをあげましょう!お風呂=良いことが待っていると関連づければストレスも軽減するはずです。

※虚弱なラットや高齢なラットは全身浴ではなく、半身浴に留めた方がいいでしょう。
※弱ったラットを入浴させてはいけません。

ラットのシャンプーの選び方

まず、無香料のものがいいと思います。特に危険なのは“エッセンシャルオイル配合”です。
エッセンシャルオイルとは精油であり、精油というものは植物の成分を何倍にも濃縮したオイルであり、ものによっては劇薬となります。
何が何倍に希釈されているのか、そもそもラットに使って良いエッセンシャルオイルなのか分からない限り、口に入れずとも肝臓に負担がかかる可能性が高いです。
仮に合成香料だったとしても、何由来の香料がどれくらい入っていて、確実にラットに害を及ばさないと確信を持てない限り、たとえ人間にとっては良い香りでもラットにとっては体の負担になるだけです。

そして、できれば低刺激のものが良いでしょう。
しかし、動物用で探すと香料が入っているものが意外に多く、なかなか良いものが無い印象です。
海外ではよく人間のベビー用のシャンプーが使われていますので、ベビー用で探したほうがより良いものが見つかるかもしれません。
どうしても、頑固な油汚れが付いてしまった場合は食器用洗剤を使うというアイディアもあります。

私が現在使っているのはこちら。

犬猫のアレルギー用。無駄なものが入っていない印象で、低刺激・無香料。
でも、しっかり洗えます!私が知る限り、動物用の中ではオススメです。

赤ちゃん用も今回記事を書くに当たってリサーチしてみましたが、どうにも添加物が気になる印象ですね。
もっとシンプルなものはないのか…。
もう自分で最低限の材料のみ集めて固形石鹸を作ったほうが安心かもしれません。
私もまだまだ探し中ですので、シンプルで良いシャンプーがありましたら ぜひ教えてください。

(資料)
RatForum – Bathing Rats – What you should know!
RMCA Resources – Rat FAQ
Rat Care Guide – Bathing
The Rat Whisperer – Bathing Your Pet Rat
wikiHow – How to Bathe Your Pet Rat